2020/06/24
「アメリカは絶好のチャンス」著作権侵害の法的措置についてご紹介するのにぴったりなタイトルと言えます。ドイツとは対照的に、アメリカでは法的措置となると多くの場合、時間と費用がかかります。しかし損害を受けた当事者は、ドイツよりも遥かに高額な賠償金を受け取る権利もあるのです。 この記事ではアメリカで著作権訴訟で損害賠償を求めることができる基本的な法律と、写真家が法的措置を成功させる可能性を最大限に高める方法についてご紹介します。 著作権の所有は財産権です。アメリカの無断転載者がCOPYTRACKの事後ライセンス提案に応じず、過去使用料の支払いにも応じない場合、残された唯一の選択肢は法的措置です。著作権侵害訴訟で成功した原告は、実際の損害賠償または法定損害賠のどちらかを選択する権利があります。この選択は、判決が下される前であればいつでも行うことができます。 アメリカの法律で実際の損害賠償は、侵害によって直接的に生じた逸失利益と定義されています。これは原告が証拠を持って立証しなければなりません。しかし写真家が会社を設立し利益を得る前に侵害が発生することが多いため、検証可能な損害は最小限に留まってしまうこともあります。このような場合、原告は被告の利益を得る権利があります。または法定損害賠償を請求することもできます。 アメリカでの法定損害賠償の場合は、裁判官が支払うべき金額を決定します。その金額は裁判所が正当と考えるものに応じて750ドルから3万ドルまでの範囲となります。重要なのは裁判官は侵害された各著作物のためにこの損害賠償を裁定することです。さらに侵害が”故意 “であったことを原告が証明できる場合、法定損害賠償は最大15万ドルまで増額できます。しかし被告が「自分の行為が侵害に該当することを認識しておらず、その行為が侵害に該当すると信じるに足る理由がなかった」ことを証明した場合は、損害賠償額は200ドルに減額されます。ただし法定損害賠償額はその後の侵害を抑止するために充分に高額である必要があります。 以下では、専門性の高いCOPYTRACK協力弁護士のおかげでアメリカでの無断転載者と合意に至ることができたケースを紹介します。 ブログでのエディトリアル使用 この写真を違法に使用した責任者は3500ドル*の支払いに同意しました。キリスト教に関するブログで約3年半に渡り画像を使用していました。 Ryan & Raymondのその他の画像はこちらから。 企業ブログでの使用 この画像使用にて合意された金額は5500ドル*でした。テキサス州にあるコンサルティング会社のブログで10年間エディトリアル使用されていました。 企業ブログで商用利用 このブログの所有者は、バッグの宣伝のためにこの画像を7ヶ月間使用するため7500ドル*を支払わなければなりませんでした。 オンラインマガジンでの使用 アメリカのオンラインライフスタイルマガジンでは、許可なく6年以上この日本人著作権者の画像を使用し11500ドル*の支払いに合意しました。 企業ウェブサイトでの使用 造園会社のウェブサイトで目立つところに約16ヶ月間、画像を使用していた無断転載者と12500ドル*の金額で合意することができました。 ラジオ局のウェブサイトでの使用 この画像も日本人著作権者のもので、無断転載者は15000ドル*の支払いに合意しました。地元のラジオ局のウェブサイトで約1年半にわたり画像が使用されていました。 補足情報 アメリカではドイツの著作権法のように作品創作後、著作権法によって「自動的に」保護されます。著作権の申請や登録は任意です。 しかし事実上、多くの著作権者が自分の画像を登録することを選択しています。損害賠償請求で裁判となった場合、有利な状況になるのはアメリカだけではありません。 COPYTRACKユーザーのアメリカでの全ての請求を可能な限り最善の方法で執行するため、COPYTRACKでは問題となっている画像を米国著作権登録所に登録します。アメリカで多数の著作権侵害を抱えている全ての写真家にこの登録をお勧めしています。画像を登録することで、交渉上の優位性が格段に向上します。画像の最初の公開から3ヶ月以内に米国著作権登録所に登録申請することがベストです。 […]