2020/09/10
遠く離れた国でも国内の路上でも、被写体としての人物は、オブジェクト、風景、建物と同様に多くの写真家にとって面白味のあるものです。しかし、ただ単に人を撮影してもいいのでしょうか。またその写真は自分のウェブサイトやInstagram、Facebookに公開してもいいものなのでしょうか。 写真の中に人物が写っている場合、著作権法に加えて遵守しなければならない法律があります。それは肖像権です。この権利は一般的人格権を特別に表したものです。すべての人は、公共の場で自分をどのような形で表現するかを自由に決めることができます。ドイツでこの権利は美術著作権法(ドイツ語:Kunsturhebergesetz、略してKUG)によって保護されています。 法律が規制しているものは? 肖像権では、人物の描写は描写された人物の同意を得た場合に限り、公表または公開することができると規定されています。つまり法律により無断転載に対する保護はありますが、写真そのものに対する保護はありません。 しかし写真を撮ることは、たとえ公開されていなくても自分の画像をコントロールできなくなる可能性があるため、個人の権利を侵害することになりかねません。 ただし他人の肖像は、その人物を撮影した場合にのみ創造されるものなのでしょうか。全身写真もそのような肖像に該当するのでしょうか。これらの疑問に答えるための決定的な基準がひとつあります。それは、描写された人物が第三者に認識されているかどうかです。言い換えれば、人物の顔や目立つ顔の特徴が認識できれば、それはその人物の肖像になります。しかし注意が必要なのは、作品が肖像とみなされるためには必ずしも顔が見えている必要はありません。他の身体的特徴(特に目立つ髪型や体格など)や、特有なもの(撮影された物やジャージの番号など)によって、第三者が描写された人物を認識することができれば十分です。 同意とは、事前の同意を意味すると理解されています。同意は特別な形式に縛られるものではなく、書面、口頭、指示的な行動によって行うことができます。指示的な行動とは例えば、人がカメラ前で意図的に笑顔のポーズをとったり、手で合図をしたりすることです。 公開時は広告目的または編集目的なのかなど、公開先を明確にすることが重要です。描写された人物は、意図された使用の目的、種類、範囲を認識していなければなりません。 後々の紛争を防ぐため、広告目的で使用される画像については、可能な限り正確に文書で公開の同意を明記しておくことが望ましいと言えます。 従業員がパンフレットなど雇用関係の枠内で自分の描写を利用できるようにする場合、公開の同意は書面で行う必要があります。 許可された同意は、それが暗黙または明示的なものにかかわらず、非常に厳しい条件下でのみ取り消すことができます。原則として、写真を再公開された場合に一般的人格権の侵害となるような深刻な状況変化など、重大な理由がある場合にのみ取り消しが可能となります。 肖像権の例外 写っている人の同意を必要としない例外が4つあります。写真家にとってこの例外は非常に重要なものであり、これがなければ原則として被写体の同意なしに人物の写真を公開することはほぼ許されないためです。 この例外は、写真家の職業上の利益に対し、描写された人物の個人的な権利を天秤にかけるものです。その目的は、情報の自由、表現の自由、芸術の自由を守ることです。 したがってKUGによると、 – 現代史の領域に属する肖像画 – 風景又はその他の場所に単に附随しているにすぎない人 – 集会、パレード、その他の主要イベントの写真 – 芸術への関心が高い肖像画 の4つは、描写された本人の同意なしに公開されることがあります。描写された人物の正当な利益が侵害されている場合はこの限りではありません。 言うまでもなく、公人の写真の許容性を評価する基準は、個人の基準とは異なります。 政治家、俳優、スポーツ選手など、政治的、社会的な立場にある者は公益性のある人物とされています。一般的な関心事に対する意見形成に役立つ場合には、通常の日常的場面でも撮影されることがあります。人々が純粋にプライベートな出来事の最中に、特にプライバシーを合理的に期待できるはずの場合は、現代史の出来事とはみなされません。 […]